そもそもスラックスとはどういうズボンでしょうか？

その語源は「ゆるい」という意味の「Slack」から来ています。タックがついていて、腰回りにゆとりを持たせる構造だったため、こういう名前になりました。しかし現在ではダブダブのチノパンなどがありますから、どちらかといえばカッチリしたフォーマルなズボン、という印象があります。

昔ヨーロッパでは半ズボンが正装とされていましたが、19世紀くらいになると長ズボンが正装とされるようになりました。また、19世紀にはモーニングの裾を切り落としたジャケット（背広）が作り出され、20世紀の初頭にはアメリカでビジネスマンの正装とされはじめたようです。今のサラリーマンがスーツを着ているのはその名残なんですね。

どんなに気を使ってスラックスをハンガーにかけても、ちゃんと折り目がついていないと意味がありません。チノパンみたいになってしまいますからね。

あのスラックスの左右の真ん中の縦線（落ち目）をセンタークリースといいます。そのセンタークリースを作るアイロンがけをセンタープレスと申します。このセンタープレスをいかにきれいにかけるかが、スラックスの見た目を決めるわけです。

そんなもん、二つに折ってアイロンを押し当てとけばいいんだろ？なんて思ってませんか？　センタープレスをかけるには、ちょっとしたコツと注意点がいるのです。これをおろそかにするとキレイなセンタークリースができず、ハンガー掛けうんぬんの話ではなくなるのです。

デキる男はスラックスのセンタークリースが命と考えて、きっちりきれいなセンタープレスをかけてください（下の動画を参考にしてください）。

きっちりきれいな折り目がつけられたら、今度はそれを消してしまわないように、慎重にハンガーにかけてくださいね。

ではここから、スラックスをかけておくのに便利なハンガーを5つご紹介します。

まずはこちら。ＪＳはんがーの木製ハンガーです。これは従来の三角のハンガーとは違い、クリップ式なんですね。そのためズボンのかけ方が全く違います。

簡単にいっちゃうと、文房具さんで売ってるファイルクリップの大きいヤツです。これでズボンを挟んでぶら下げます。そうすることでズボンを折り曲げる必要がなくなり、シワも伸びてくれます。

これを使ったスラックスのかけ方は、逆さにして裾の部分をクリップで挟んでください。腰の部分の重みでスラックスがピンと伸び、シワが消えセンタークリースがキープされます。

次にご紹介するのはS字型ステンレスハンガーです。S字というよりはヘビがニョロニョロしているような形状です。

このハンガーを使うとクローゼットの収納力が上がります。ひとつのハンガーで5つのズボンが吊り下げられるからです。ぎっしり詰まったクローゼットから無理にスラックスを取ろうとするのはシワができる原因ですからね。これを使ってスマートにスラックスを取り出しましょう。

また、ズボンだけではなく、ネクタイ掛けやタオル掛けとしても使用できますよ。アイデア次第でいろんな使い方ができます。

お次はマワというドイツのハンガーメーカーのハンガーです。こちらもクリップ式です。かけ方は基本的に上でご紹介したJSハンガーと同じです。スラックスの裾をクリップ部分で挟んでさかさまにして吊り下げてください。

ただし、こちらはちょっと違っていて、フックの部分を倒すとクリップの部分が開くようになっています。そのクリップ部分が特殊コーティングをしてあるため、滑りにくくできています。

続いてはサフラジのノンスリップスラックスハンガーです。こちらも大幅にクローゼットの収納力を上げてくれるハンガーです。

取り出すときも簡単で、一本一本のバーは360度回転するので、手前に開けばぞ本が取り出せます。そのバーにも滑りにく加工がしてあります。

最後にご紹介するのがシンコーハンガーのリレースラックスです。滑りにくいラバー加工のバーでスラックスが動いてシワになるのを防いでくれます。また取り出しやすい片面オープン構造です。無理にクローゼットからスラックスにシワがいくのが防げます。

さらにこちらのハンガー、上下に連結することで収納場所の節約にもなります。アマゾンレビューも3.8と人気商品です。

ちょっとオマケです。上の項でスラックスのアイロンのかけ方をご紹介したと思いますが、はっきり言って毎日そんなことするの、面倒ですよね。そこでおすすめなのがズボンプレッサーです。

そこでご紹介するのがコルビーの3300JAです。こちら、シリーズによっては3万円を超えるなかなかのお値段なのですが、アマゾンのレビューも多く、その評価はなんと4.2。かなりの人気商品なんです。

スーツを脱いだら、ジャケットは後ろのハンガーにかけ、スラックスは手前のプレッサーのなかに入れてスイッチを押すだけ。あとは機会が適切な温度をキープしながら、スラックスをパリっときれいに仕上げてくれます。もちろん生地を傷めることはありません。

せっかく専用ハンガーにスラックスをかけてるのに、アイロンがけが面倒でセンタークリースがない、なんて意味がありませんから、いつもキリっとしたスラックスを履いていたい人は、ぜひご購入ください。

おまけのオマケにもうひとつ。ごく普通のハンガーしかないという方は、ちょっとひと工夫してこういうふうにズボンをハンガーにかけてみてください。ずり落ちないので便利ですよ。ホテルなどに泊まったときに使える方法ですね。

いかがでしたか？　どんなに糊のきいたパリっとしたシャツを身につけていても、スラックスのプレスがきいてないとせっかくの着こなしも台無しです。クローゼットで吊ってるうちにシワシワになっちゃった、なんてことがないように、ハンガーも工夫してみてください。