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冬の俳句オススメ10選!有名な俳句の意味や季語を徹底解説!

2024.02.25

学生時代は興味もなく存在を知る程度であった「俳句」ですが、年齢とともに「おもしろい」と感じハマってしまう方も少なくありません。冬を表すモノはどのようなものがあるのか。そこで今回は、有名な俳句の意味や季語とともに「冬の俳句オススメ10選」についてまとめています。

  1. 俳句は冬の季節に名作が多い?有名な俳句を知ろう!
  2. 冬のおもしろい・有名な俳句1:初時雨 猿も小蓑を 欲しげなり
  3. 冬のおもしろい・有名な俳句2:斧入れて 香におどろくや 冬木立
  4. 冬のおもしろい・有名な俳句3:づぶ濡れの 大名を見る 炬燵かな
  5. 冬のおもしろい・有名な俳句4:ともかくも あなた任せの としの暮れ
  6. 冬のおもしろい・有名な俳句5:いくたびも 雪の深さを 尋ねけり
  7. 冬のおもしろい・有名な俳句6:大晦日 定めなき世の さだめかな
  8. 冬のおもしろい・有名な俳句7:流れゆく 大根の葉の 早さかな
  9. 冬のおもしろい・有名な俳句8:とつぷりと 後暮れいし 焚火かな
  10. 冬のおもしろい・有名な俳句9:鮟鱇の 骨まで凍てて ぶちきらる
  11. 冬のおもしろい・有名な俳句10:瓦斯燈に 吹雪かがやく 街を見たり
  12. 歌人は偉大!年を重ねると俳句の良さが分かるようになる!
冬の季節を表現した作品の中でも俳句は非常に趣があります。冬の俳句はどこか悲しかったり、切ない情景を思い浮かべるものが多いです。学生時代はそこまで情景が浮かばなくても年を重ねてから改めて見ると違った感じ方をします。ここからは冬の俳句のおすすめ10選を紹介していきます。

「初時雨 猿も小蓑を 欲しげなり」が有名

冬のおもしろい・有名な俳句1つ目は松尾芭蕉の「初時雨 猿も小蓑を 欲しげなり」です。この俳句の季語は「初時雨」になり、その年に初めて降った雨を意味します。時期としては1月の雨になるので、非常に寒い様子が描かれています。学生時代に学習した松尾芭蕉は冬の俳句を多く残しています。

「初時雨 猿も小蓑を 欲しげなり」の解釈

実際に自分だけが寒い訳ではなく、道にいる猿も何とか寒さを凌ごうと小蓑を探し求める姿から厳しい寒さが表現されています。旅の厳しい現実を痛感しながら、「自分だけ寒い訳ではない」と感じるおもしろさがあります。

「斧入れて 香におどろくや 冬木立」が有名

冬のおもしろい・有名な俳句2つ目は与謝蕪村の「斧入れて 香におどろくや 冬木立」です。この俳句の季語はそのまま「冬木立」です。冬の何気ない日常生活の中にも意識することで細やかな驚きを楽しむことができるという意味の俳句です。

「斧入れて 香におどろくや 冬木立」の解釈

冬の時期は薪を作るべく乾燥した木立に斧を入れます。退屈な日常の動作ですが、斧を入れた木立から新鮮な木の香りが不意に漂い驚いたという俳句です。乾燥して死んでいるような木でも内にはしっかり生命力を秘めているという命の尊さを感じます。

「づぶ濡れの 大名を見る 炬燵かな」が有名

冬のおもしろい・有名な俳句3つ目は小林一茶の「づぶ濡れの 大名を見る 炬燵かな」です。季語は冬に登場する道具である「炬燵」です。この俳句は冬の時期の雨でずぶ濡れになった大名行列を見て気の毒になったという俳句です。

「づぶ濡れの 大名を見る 炬燵かな」の解釈

大名行列と言うと威勢があって少し傲慢で偉そうなイメージがありますが、冬の雨はそのような大名行列も弱弱しく見せます。この俳句は普段とのギャップと、辛い状況を安全なところから眺めるという2つのギャップがおもしろい俳句です。

「ともかくも あなた任せの としの暮れ」が有名

冬のおもしろい・有名な俳句4つ目は先程と同じく小林一茶の「ともかくも あなた任せの としの暮れ」です。この俳句の季語もそのまま「としの暮れ」です。この俳句の本来の意味で言う「あなた」は神様・阿弥陀様のことを指します。

「ともかくも あなた任せの としの暮れ」の解釈

つまり、何かと忙しい年末年始も運命に逆らわず、神様に身をゆだねるという俳句です。しかし、現代においてはだらしない夫が年末年始の準備を全て妻に任せているようでおもしろいと学生から人気がある俳句です。

「いくたびも 雪の深さを 尋ねけり」が有名

冬のおもしろい・有名な俳句5つ目は学生からも人気がある正岡子規の「いくたびも 雪の深さを 尋ねけり」です。季語はそのまま「雪」になり病床で伏せている本人が、雪が降る姿を自分自身で確認できないもどかしさを読んだ俳句です。

「大晦日 定めなき世の さだめかな」が有名

冬のおもしろい・有名な俳句6つ目は井原西鶴の「大晦日 定めなき世の さだめかな」です。この俳句の季語も年末年始を指す「大晦日」です。昔は今に比べて大晦日は自分の運勢などを占う重要な日と考えられていました。この俳句の意味は諸説ありますが洒落もあり深い解釈があることで学生にも人気があります。

「大晦日 定めなき世の さだめかな」の解釈

混沌としている世の中ではルールもなく、大晦日に何が起こるかも決まっていません。しかし、そんな定められていない大晦日も1年の終わりとして必ずやってくる「さだめ」(運命)という意味の俳句と言われています。

「流れゆく 大根の葉の 早さかな」が有名

冬のおもしろい・有名な俳句7つ目は学生時代に習う高浜虚子の「流れゆく 大根の葉の 早さかな」です。季語は「大根」になります。大根は冬に収穫し、様々な用途に使われることから現在ではイメージしにくいですが冬の季語になります。

「流れゆく 大根の葉の 早さかな」の解釈

この俳句の意味は普段は絶対に流れることのない大根の葉が川を流れている情景から日常の中のふとした生活感や温かい家庭の様子を、自分の寂しさと対比させています。あっという間に葉が流れていく様から無常さを感じます。

「とつぷりと 後暮れいし 焚火かな」が有名

冬のおもしろい・有名な俳句8つ目は松本たかしの「とつぷりと 後暮れいし 焚火かな」です。この俳句の季語は「焚火」になります。誰もが共感できるような冬の情景を読んだこの俳句は、学生だけではなく多くの人に人気があります。

「とつぷりと 後暮れいし 焚火かな」の解釈

この俳句の意味・情景は、寒さが厳しいとある冬の日に焚火で暖を取っています。焚火の暖かさは不思議と心までも温かくなります。その魅力的な焚火に当たっているといつの間にか辺りは真っ暗になっているという歌です。焚火の魅力と冬の日の短さから趣を感じます。

「鮟鱇の 骨まで凍てて ぶちきらる」が有名

冬のおもしろい・有名な俳句9つ目は加藤楸邨の「鮟鱇の 骨まで凍てて ぶちきらる」です。この俳句の季語は冬の時期の魚である「鮟鱇」です。学生時代に習うことが多く有名な俳句です。豪快な言葉遣いが印象に残る歌の意味は実は悲しいものです。

「鮟鱇の 骨まで凍てて ぶちきらる」の解釈

鮟鱇は調理する際に店先に吊るされます。厳しい冬の寒さによって骨まで凍った姿から、豪快に包丁を入れられてなす術なく調理されていきます。実はこのときの加藤椒邨は病気で動けない状態だったのです。吊るされている鮟鱇と自分を重ね合わせ、何もできずに厳しい運命を受け入れるしかない状態に歯がゆさを感じます。

「瓦斯燈に 吹雪かがやく 街を見たり」が有名

冬のおもしろい・有名な俳句10個目は北原白秋の「瓦斯燈に 吹雪かがやく 街を見たり」です。季語はそのまま「吹雪」になります。俳句なので非常に短い中にもガス灯と吹雪が織り成す幻想的に映る街の光景が目に浮かびます。北原白秋の俳句の中でもこのような美しい情景を描いたものは人気があります。
今回は冬の俳句のおすすめ10選を紹介してきました。冬の季節は四季の中でも日常生活の様相が大きく変わるので、趣を感じる出来事が多くあります。実際に紹介した俳句の情景も特殊なものではなくありふれたものが多いです。その日常的な光景からも素敵な俳句にする歌人の偉大さが分かります。